屋上シート防水の修理方法|業者依頼とDIYのどちらを選ぶ?

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「最近、屋上の見た目が悪くなってきた」「もしかして、雨漏りのサイン?」
ご自宅や管理している建物の屋上に、そんな不安を感じていませんか。

屋上は常に紫外線や雨風にさらされる過酷な環境のため、定期的なメンテナンスが欠かせません。しかし、いざ修理となると「専門業者に頼むと高そう」「自分で安く直せないか」と悩んでしまいますよね。

この記事では、屋上防水の劣化サインから具体的な修理方法、そして気になる費用を抑えるコツまで、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。DIYで対応できるケースとプロに任せるべきケースの見極め方を知り、あなたの建物に最適な修理方法を見つけましょう。

屋上防水の劣化サインと補修が必要なタイミング

防水層の劣化を放置すると、雨漏りだけでなく建物自体の寿命を縮めてしまう可能性があります。以下のようなサインを見つけたら、補修を検討するタイミングです。

表面の色あせや白化現象

防水層の表面を保護しているトップコートが劣化すると、ツヤがなくなり色あせてきます。さらに劣化が進むと、表面を触ったときに白い粉が付く「チョーキング現象」が起こります。 これは、防水機能が低下し始めている初期のサインです。

ひび割れ(クラック)の発生

紫外線や温度変化の影響で防水層が硬化し、表面に細かいひび割れ(クラック)が発生することがあります。 小さなひび割れでも、放置すると雨水が侵入し、劣化を加速させる原因となるので注意が必要です。

膨れや浮き・剥がれの発生

防水層の下に雨水が入り込むと、夏場の熱などで水分が蒸発し、防水層を押し上げて「膨れ」を作ることがあります。 また、接着が弱くなった部分は「浮き」や「剥がれ」につながり、防水機能が著しく低下している危険な状態です。

苔やカビの発生

防水層の劣化により水はけが悪くなると、常に湿った状態が続き、苔やカビが発生しやすくなります。見た目が悪いだけでなく、防水層の劣化をさらに促進させる要因にもなります。

雨漏りや天井の染み

天井や壁に染みができている場合、すでに雨漏りが発生している可能性が非常に高いでしょう。 この状態は、防水層だけでなく、建物の構造部分にまでダメージが及んでいる恐れがあるため、早急な対応が必要です。

カビ臭

室内にカビ臭さを感じる場合、壁の内部や天井裏で雨漏りが進行し、カビが発生している可能性があります。目に見える染みがなくても、臭いがサインとなることもあります。

屋上防水の修理方法

屋上防水の修理方法は、劣化の状況や防水の種類によってさまざまです。軽微な補修から大規模な改修まで、代表的な5つの方法を紹介します。

トップコートの再塗装

トップコートの再塗装は、防水層の表面を保護する「トップコート」のみを塗り替えるメンテナンス方法です。防水層自体に大きなダメージがなく、色あせやごく小さなひび割れといった初期の劣化症状の場合に行います。比較的手軽で費用も抑えられますが、防水機能を回復させるものではなく、あくまで保護層の再塗装です。

部分補修

部分補修は、ひび割れや剥がれ、膨れなど、劣化した箇所だけを限定的に修理する方法です。 例えば、ひび割れをコーキング材で埋めたり、剥がれた部分に防水テープや補修用のシートを貼ったりします。 DIYでも対応しやすい方法ですが、あくまで応急処置であり、劣化が広範囲に及んでいる場合は根本的な解決にはなりません。

防水層の塗り替え

防水層の塗り替えは、既存の防水層の上から新たにウレタンなどの液体状の防水材を塗り重ね、新しい防水層を作る方法です。 既存の防水層を撤去する必要がないため、比較的工期が短く、費用も抑えやすいのが特徴です。現在の屋上防水で最も一般的なウレタン防水の改修でよく用いられます。

かぶせ工法

かぶせ工法は、既存の防水層の上から新しい防水シートを被せて固定する方法です。 塗り替えと同様に、既存の防水層を撤去しないため、工期や費用を抑えることができます。主にシート防水の改修で採用されますが、下地の状態が悪いと施工できない場合があります。

撤収工法

撤収工法は、劣化した既存の防水層をすべて撤去し、下地から新しく防水層を作り直す方法です。 雨漏りがすでに発生している場合や、下地の劣化が激しい場合に用いられます。費用や工期は最もかかりますが、防水機能を根本から刷新できるため、もっとも確実な方法と言えるでしょう。

DIYと業者依頼の判断基準

修理費用を抑えるためにDIYを検討する方も多いです。しかし、防水工事は専門的な知識と技術が求められるため、安易なDIYはかえって状況を悪化させる危険性もあります。

DIYで補修できるケース

DIYでの補修は、あくまで軽微な劣化に対する応急処置と考えるのが安全です。

  • 小さなひび割れや穴:防水用の補修テープやコーキング材で埋める。
  • シートの小さなめくれ:専用の接着剤で貼り直す。
  • トップコートの塗り替え:防水層自体に問題がなく、道具の扱いに慣れている場合。


ただし、DIYでの補修は耐久性が1〜3年程度と短く、定期的な確認が必要です。また、高所での作業は危険が伴うため、安全対策は万全に行ってください。

専門業者への依頼が必須なケース

以下のような症状が見られる場合は、迷わず専門業者に相談しましょう。

  • 雨漏りがすでに発生している
  • 劣化の範囲が広い、または複数箇所にある
  • 防水層に大きな膨れや剥がれがある
  • 下地コンクリートまで劣化が達している
  • 前回のメンテナンスから10年以上経過している


これらのケースでは、表面的な補修だけでは解決せず、専門家による正確な診断と適切な工法での修理が必要です。 中途半端なDIYは雨漏りを悪化させ、結果的に高額な修理費用につながる可能性があります。

修理費用を安く抑える3つのコツ

専門業者に依頼する場合でも、いくつかのポイントを押さえることで費用を賢く抑えることが可能です。

防水層の破損が悪化しないようにする

もっとも効果的なのは、劣化が軽微なうちに早めにメンテナンスを行うことです。 トップコートの塗り替えや部分補修で済む段階で対応すれば、大規模な工事に比べて費用を大幅に抑えられます。劣化具合を確認するために、定期的なセルフチェックを心がけましょう。

相見積もりを依頼する

複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」は、適正な価格を知るために非常に重要です。 2〜3社程度から見積もりを取り、工事内容と金額を比較検討しましょう。 ただし、単に価格が安いだけでなく、見積書の内容が詳細で分かりやすいか、担当者の対応が丁寧かなども含めて総合的に判断することが大切です。

自社施工している業者を選ぶ

工事を下請け業者に丸投げせず、自社の職人で施工する「自社施工」の業者を選ぶのもポイントです。中間マージンが発生しないため、費用を抑えられる傾向があります。また、責任の所在が明確で、品質管理が徹底されやすいというメリットもあります。

火災保険が適用されるか確認する

台風や強風、雹(ひょう)などの自然災害によって屋上が破損した場合は、火災保険が適用される可能性があります。 経年劣化は対象外ですが、思い当たる原因がある場合は、保険会社や契約内容を確認してみましょう。

補助金や助成金を調べる

お住まいの自治体によっては、住宅リフォームに関する補助金や助成金制度を設けている場合があります。防水工事が対象となることもありますので、自治体のホームページなどで確認してみることをおすすめします。

屋上防水の修理に関するQ&A

雨漏りしていても部分補修で済む?

残念ながら、雨漏りが発生している場合、部分補修で済むケースはほとんどありません。雨漏りは、防水層だけでなく、その下の構造部分まで水が回っているサインです。原因箇所を正確に特定し、根本的な修理を行うために、専門業者による全面的な改修が必要となることが一般的です。

補修工事に適した時期はいつ?

防水工事は、天候が安定していて空気が乾燥している春(4〜5月)や秋(9〜10月)が最適です。雨や雪、低温、高温多湿は施工品質に影響を与える可能性があるため、梅雨の時期や真夏、真冬は避けるのが一般的です。

まとめ

屋上防水の修理は、建物を長く健康に保つために非常に重要です。まずはご自身で屋上の状態をチェックし、劣化のサインを見逃さないようにしましょう。

  • 軽微な劣化なら、DIYでの応急処置も可能です。
  • 雨漏りや広範囲の劣化が見られる場合は、迷わず専門業者に相談してください。
  • 費用を抑えるには、早期のメンテナンスと複数の業者から見積もりを取ることが効果的です。

大切な建物を雨漏りから守るために、この記事で得た知識を活かし、最適なタイミングで適切な修理方法を選択してください。少しでも不安を感じたら、まずは信頼できる専門業者に点検を依頼することから始めましょう。